DVD「法律家にして文学者 平出修を語る」(ドキュメンタリー/2017年/32分)

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DVD「平出修を語る」 (DHSJ006)

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大逆事件を担当した弁護士であり雑誌「明星」に参加、文芸誌「スバル」を主宰しみずからも短歌・小説・評論など多くの作品を発表した文学者で石川啄木の友人でもあった平出修。その人間像に迫るドキュメンタリー

【平出修の生い立ち】

修は、10人兄姉の八男として誕生。文学の道を志し「明星」の新詩社に参加して作品を発表する。その一方で、平出家に入籍して上京、法律を学んで弁護士としても活躍する。
彼の生い立ちとその後の人生は、明治後期の典型的な青年の生き方を表しているのかもしれない。

【平出修と大逆事件】

大逆事件で起訴された26名のうち、修は紀州グループの﨑久保誓一、髙木顕明両名の弁護を担当。弁護にあたっては、思想の自由を守るという観点から被告を弁護した。彼の弁論は幸徳秋水、管野須賀子をはじめとする被告たちに深い感銘をあたえた。彼らからの手紙や法廷でのさまざまな記録は、今も平出家に残されている。11人いた弁護人のほとんどは、裁判の記録や証言を残しておらず、修の資料が後の大逆事件研究に大きな役割を果たした。

【平出修が残したもの】

裁判を通じて浮かび上がった大逆事件の真実を、修は小説で表現しようとしたが、第三作「逆徒」が発禁処分を受けた上に、出版社は自主規制に走る。彼は人生の多くを、法律と文学の両面で「思想の自由」「表現の自由」をめぐって闘った。それは今もわたしたちが問われている課題だといえるだろう。

【平出修の研究と再評価】

法律家にして文学者、平出修についての多方面からの研究・再評価が、「平出修研究会」「高田平出修の会」などによって現在も地道に続けられている。

【平出修と文学者、詩人たち】

◎平出修と森鴎外

修は与謝野寛とともに、鴎外主宰の観潮楼の歌会に参加するなど、交流を深めた。法律家でもある修は鴎外からも一目置かれていた。大逆事件の弁護では、鴎外から各国の無政府主義者について教示を受ける。

◎平出修と与謝野寛(鉄幹)・与謝野晶子

修は明治33年5月、寛が設立した新詩社のメンバーになり、9月の平出家入籍、34年1月の上京後も交流が続き、寛からも厚い信頼を得た。
晶子とは同い年のよしみもあり、終生親しかった。

◎平出修と石川啄木

修はいち早く啄木の才能を認めていた。「明星」終刊後、文芸誌「スバル」を立ち上げ、啄木を編集長にして主宰した。これらを契機に、修と啄木は親しくなる。
非公開で行われた大逆事件の裁判では、啄木は修から話を聞き、被告の手紙や裁判の調書などを読ませてもらっている。啄木は、大逆事件への理解を深めることによって、その後の生き方や思想に大きな影響を受けたと日記に記している。
啄木は、大逆事件(1910-11)の翌年、明治45年(1912)に26才で、修は大正3年(1914)に36才で死去。二人とも大逆事件の衝撃と、そこから受けた影響を自らの思想へと深化させるには早過ぎる死であった。

制作年:2017年
企画・製作:イメージブレーン
監修:平出修研究会
制作・脚本:千原 卓司
演出:山崎 欽毅・千原 卓司
編集:田中 啓
音楽:松島 美毅子
ナレーター: 畠山 美和子
声の出演: 小原 雅一・大津 仁良
DVD仕様: リージョンALL/日本語/画面サイズ16:9(ワイド)/複製不許/スリムケース

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